妥協なしでウイルスソフト
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友人の編集者から単行本の企画や雑誌の特集記事の相談を受けると、私はこれを検索してアイデアを提供して喜ばれている。
また、私は一年ごとに、単行本や雑誌連載の目標をたて、そのタイトルを手帳の最初のページにリストアップしている。
それをことあるごとに見直し、あれこれ思案にふけるのが習慣になってしまった。
たとえ満員電車でも、頭の中の黒板に書いたり消したりしてアイデア発想ゲームを楽しんでいる。
よいアイデア、よい企画は突然生まれるものではない。
自分の興味のあるテーマを持ち、常日頃から意識してアンテナを張っておかなければ、そう簡単に出てくるはずがないのである。
タイトルが決まったら、それと同じくらい内容にも英知を注ぎたい。
内容を箇条書きにしたものでよく、これを編集仲間たちはレジュメという。
これも余計な文字はいらない。
一目で編集者にわかる内容にする。
さて、あなたの企画が編集者の目にかなったとすると、先方から何らかの連絡がある。
そこで初めて、あなたの原稿を提出するワケで、面識のないうちは概要だけを提出するにとどめること。
最近の原稿は、ほとんどがワープロ書きで、作者はフロッピーにして編集者に渡す、というのが一般的なシステム。
だからといって、必ずしもフロッピーで渡さなければいけないということはなく、原稿用紙の作品でもいっこうに構わない。
なぜなら、ディスプレイ画面より紙のほうが読みやすいからである。
文章の校正をする場合、ディスプレイ上では見つからなかった誤字がプリントアウトした紙だと簡単に見つかる、という経験があるでしょう。
商品になるかならないかの原稿なら、あえてフロッピーにする必要はない。
もし、ワープロで書いても、紙に印字して渡したほうがよいだろう。
なぜなら、忙しい編集者は通勤途中や打ち合わせの合間に原稿を読むので、紙の原稿ならどこへでも持ち運びができるから、好都合というワケだ。
編集者が原稿をなくす、ということは起こりうる。
紙の原稿は、コピーをとって原本を手元に保管し、複写原稿を編集者に渡す。
フロッピーもバックアップをとっておくこと。
文章は出だしが大切である。
最初に勢いをつけ、相手の出鼻をくじき、そのまま調子に乗って一気にチャンピオン旗を手にする。
文章の出し惜しみはいけない。
面白い記事、自信のある文章を最初から出して、一気に読者の心をつかまなければいけない。
実績のないうちは、文章が下手であたりまえ。
技術は書いていくうちに会得できる。
読む者の心を打つのは、あなたの情熱とパワーなのである。
ここでは、ワープロ専用機もパソコン用ワープロソフトも同じ扱いにするのでご了承を。
私はワープロ専用機を使ったことがないので詳しい比較はできないが、文章を書くだけならだんぜんワープロに軍配が上がる。
本来、ワープロもパソコンも構造は同じで、ワープロは最初から文章書きを想定して商品化したから、値段の割に性能はよい。
一方パソコンは、ソフトウェアによってワープロになり、表集計になり、データベースになったりするので、値段は高くなる。
パソコンのワープロソフトは、二つの違う文書を画面に表示して、それぞれを独立して使うことができる。
Windows機だと、A文書に参考資料、B文書にレジュメ、C文書は本文というようにいくつか画面を開いておき、A、Bを見ながらC画面で文章を書くということができる。
これは大変助かる。
文章を書くにあたって、参考資料は欠かせないが、Windows機ではこれが一つのモニター画面上でできてしまうから、能率がグッと上がる。
同じことを旧型パソコンでやると、まず参考資料の入った文書を呼び出し、印刷する。
これを閉じてから、次のレジュメ文書を呼び出し、印刷、閉じる。
参考資料とレジュメのプリントアウトされた文書を机の上に置き、それを見ながらワープロで本文を書き上げる、という面倒な作業を行う。
旧型パソコンでも、「一太郎」のようなワープロソフトは、画面を四分割することが可能だが、モニター画面に表示される文字量が少ないので、普通は上下二画面に分割するのが精一杯だった。
旧型パソコンの画面は、N社のもので縦×横が400×640と小さく文字表示数が少ないので、同時に違う仕事をやらすのは物理的につらい。
最初にいいたいことがある。
ワープロ原稿は漢字が多くなるのでやたらに漢字を使わないこと。
文章は、あくまでも「やさしく、わかりやすく」をモットーに。
いいことずくめのワープロ原稿だが、これで文章が上手に書けるかというと、大いに疑問だ。
文章を書いていると、思考は独特の回転をするんだなあ、と自分でも驚くことがある。
まず、なにを書きたいのかをキチンと決め、それを主軸にしてペース配分、各章のメリハリ、ハイライト部での殺し文句、オチ(締め)はどうするなど、文章を書きながら、先のことを考えたり、先に書いた文とのつながりなどを同時に考えることができるのだ。
これは、仕事にハマリ込んでいる時の状態で、いつもできるとは限らない。
たびたびいいますが、ワープロは加筆・修正が簡単にできるので、文章を書く時の緊張感が紙の原稿用紙に向かっている時より薄いのではないか、と私は思う。
デジタルの特長の一つに、カット&ペースト(切り貼り)がある。
つまり、文章をいくつかのブロックに分けておき、あとで各ブロックをつなぎあわせて一つの文章にまとめる、という書き方もできる。
最初から順番に書いていくより、効率がいいことは確かだ。
しかし、これがときに仇になる。
短いコラムなら目立だないが、単行本や小説などの大きな文章では大切な「流れ」を作ることができなくなることがある。
近代産業では、ほとんどのモノは各ブロックに分けられて作られ、最終工程で仕上げるという工法を用いるが、ワープロ文章も同様に、デジタル化されて大量生産されていくことだろう。
私かワープロで原稿を書き始めたのは、一九八四年の夏だった。
ワープロ専用機ではなく、F社のマシンであり、いまの関数電卓にも劣るマイコンに原始的なワープロソフトをのせて、トロトロ原稿書きに励んだのだった。
黎明期のマイコンーワープロでは、ハードもソフトも幼稚で、手書きより効率よく原稿は書けなかったが、漢字が使えるだけで感激した古きよき時代だった。
やがて、太郎という一太郎の原型ワープロソフトが誕生するに至り、日本語のワープロソフトは実用に耐える時代を迎えたのである。
手書きより速く、より効率的に文章が書ける。
精力的に書いた。
が、大きな落とし穴が待っていた。
文章に流れがなくなったのである。
旧知の編集者から「最近、文章につながりがなくなったね」と指摘されるまで、自分では気づかなかった。
どうやら、「切り貼り」の便利さにかまけて、いつしか、文章の流れに無頓着になっていたのだった。
よい文章とはどういうものを指すのか明確な定義はないが、私は“文章はパワー、ニオイ、ムード”だと思う。
もちろん表現力、構成力、取材力などは欠かせない要素だが、文章の流れは、これらのすべてに勝る。
例えば若い女性が、合コンで知り合ったばかりの男性とその日のうちに関係を持ってしまった、というケースがよくある。
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さて、あなたの企画が編集者の目にかなったとすると、先方から何らかの連絡がある。
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最近の原稿は、ほとんどがワープロ書きで、作者はフロッピーにして編集者に渡す、というのが一般的なシステム。
だからといって、必ずしもフロッピーで渡さなければいけないということはなく、原稿用紙の作品でもいっこうに構わない。
なぜなら、ディスプレイ画面より紙のほうが読みやすいからである。
文章の校正をする場合、ディスプレイ上では見つからなかった誤字がプリントアウトした紙だと簡単に見つかる、という経験があるでしょう。
商品になるかならないかの原稿なら、あえてフロッピーにする必要はない。
もし、ワープロで書いても、紙に印字して渡したほうがよいだろう。
なぜなら、忙しい編集者は通勤途中や打ち合わせの合間に原稿を読むので、紙の原稿ならどこへでも持ち運びができるから、好都合というワケだ。
編集者が原稿をなくす、ということは起こりうる。
紙の原稿は、コピーをとって原本を手元に保管し、複写原稿を編集者に渡す。
フロッピーもバックアップをとっておくこと。
文章は出だしが大切である。
最初に勢いをつけ、相手の出鼻をくじき、そのまま調子に乗って一気にチャンピオン旗を手にする。
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面白い記事、自信のある文章を最初から出して、一気に読者の心をつかまなければいけない。
実績のないうちは、文章が下手であたりまえ。
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ここでは、ワープロ専用機もパソコン用ワープロソフトも同じ扱いにするのでご了承を。
私はワープロ専用機を使ったことがないので詳しい比較はできないが、文章を書くだけならだんぜんワープロに軍配が上がる。
本来、ワープロもパソコンも構造は同じで、ワープロは最初から文章書きを想定して商品化したから、値段の割に性能はよい。
一方パソコンは、ソフトウェアによってワープロになり、表集計になり、データベースになったりするので、値段は高くなる。
パソコンのワープロソフトは、二つの違う文書を画面に表示して、それぞれを独立して使うことができる。
Windows機だと、A文書に参考資料、B文書にレジュメ、C文書は本文というようにいくつか画面を開いておき、A、Bを見ながらC画面で文章を書くということができる。
これは大変助かる。
文章を書くにあたって、参考資料は欠かせないが、Windows機ではこれが一つのモニター画面上でできてしまうから、能率がグッと上がる。
同じことを旧型パソコンでやると、まず参考資料の入った文書を呼び出し、印刷する。
これを閉じてから、次のレジュメ文書を呼び出し、印刷、閉じる。
参考資料とレジュメのプリントアウトされた文書を机の上に置き、それを見ながらワープロで本文を書き上げる、という面倒な作業を行う。
旧型パソコンでも、「一太郎」のようなワープロソフトは、画面を四分割することが可能だが、モニター画面に表示される文字量が少ないので、普通は上下二画面に分割するのが精一杯だった。
旧型パソコンの画面は、N社のもので縦×横が400×640と小さく文字表示数が少ないので、同時に違う仕事をやらすのは物理的につらい。
最初にいいたいことがある。
ワープロ原稿は漢字が多くなるのでやたらに漢字を使わないこと。
文章は、あくまでも「やさしく、わかりやすく」をモットーに。
いいことずくめのワープロ原稿だが、これで文章が上手に書けるかというと、大いに疑問だ。
文章を書いていると、思考は独特の回転をするんだなあ、と自分でも驚くことがある。
まず、なにを書きたいのかをキチンと決め、それを主軸にしてペース配分、各章のメリハリ、ハイライト部での殺し文句、オチ(締め)はどうするなど、文章を書きながら、先のことを考えたり、先に書いた文とのつながりなどを同時に考えることができるのだ。
これは、仕事にハマリ込んでいる時の状態で、いつもできるとは限らない。
たびたびいいますが、ワープロは加筆・修正が簡単にできるので、文章を書く時の緊張感が紙の原稿用紙に向かっている時より薄いのではないか、と私は思う。
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近代産業では、ほとんどのモノは各ブロックに分けられて作られ、最終工程で仕上げるという工法を用いるが、ワープロ文章も同様に、デジタル化されて大量生産されていくことだろう。
私かワープロで原稿を書き始めたのは、一九八四年の夏だった。
ワープロ専用機ではなく、F社のマシンであり、いまの関数電卓にも劣るマイコンに原始的なワープロソフトをのせて、トロトロ原稿書きに励んだのだった。
黎明期のマイコンーワープロでは、ハードもソフトも幼稚で、手書きより効率よく原稿は書けなかったが、漢字が使えるだけで感激した古きよき時代だった。
やがて、太郎という一太郎の原型ワープロソフトが誕生するに至り、日本語のワープロソフトは実用に耐える時代を迎えたのである。
手書きより速く、より効率的に文章が書ける。
精力的に書いた。
が、大きな落とし穴が待っていた。
文章に流れがなくなったのである。
旧知の編集者から「最近、文章につながりがなくなったね」と指摘されるまで、自分では気づかなかった。
どうやら、「切り貼り」の便利さにかまけて、いつしか、文章の流れに無頓着になっていたのだった。
よい文章とはどういうものを指すのか明確な定義はないが、私は“文章はパワー、ニオイ、ムード”だと思う。
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